導入の経緯
一般的に救急車は、119番通報により消防署から出動するケースがその多くを占めていますが、年々救急車の出動件数が増加していることで、消防だけでは対応しきれなくなっており、病院などの医療機関が「病院救急車」を持つケースが増えています。また、病院救急車の出動ケースも多様化しており、受け入れ患者の病院間の搬送や災害時におけるDMATの出動など様々な場面で病院救急車が活用されています。
平塚市民病院の救命救急センターでは「断らない救急医療」を理念にかかげ、年間1万件を超える救急搬送を受け入れています。同時に、重症患者に対する早期医療介入を目的とした転院搬送など、様々な場面で病院所有の救急車を出動させており、今後より多くのケースに対応することができる救急車を求めていました。
ベルリングが提供する「C-CABIN」は、「広い、揺れない、使いやすい」をコンセプトとした、新型救急車です。今回納入した車両は、平塚市民病院のニーズに合わせてカスタマイズしており、現場課題から逆算した企画開発力や柔軟性を評価いただき、導入にいたりました。
平塚市民病院「C-CABIN」の特徴
「C-CABIN」の特徴は広い社内スペースとカスタマイズの柔軟性です。今回平塚市民病院に納車された「C-CABIN」も、救急科の医師、看護師、救命士など実際に救急車を使用する現場の意見をもとに、患者と医療従事者双方にとって利便性が高く、快適な車両という点にこだわってカスタマイズされました。
1.揺れを最小限にする車体強度の強化
ECMOや小児用保育器を載せて患者さんを搬送する場面では、揺れを最小限に抑える必要があります。そのため、足回りの改造を行うことで快適な乗り心地を実現しました。
2.電動ストレッチャー
電動ストレッチャーを導入することにより、持ち上げや移動時の負担が軽減され、搬送中の事故のリスクを大幅に低減できます。これにより、救急隊員の身体的負担軽減や安全性向上が期待でき、女性隊員の活躍の可能性も広がります。また、左右にスライドする機能も付いているため、患者さんを中央に配置し、院内と同じように両側からアプローチすることが可能です。
3.水洗い可能なフロア
平塚の地域特性として東側に大きな川、南側に海があり、水難救助も多いことから、救助の現場では砂や水で車内が汚れやすいといった課題がありました。「C-CABIN」の床は汚れにくく、また汚れた場合でも簡単に清掃できるようにしました。
平塚市民病院 救急科部長 葉 季久雄先生コメント
この度、平塚市民病院 救命救急センターでは「C-CABIN」を導入しました。理想の救急車を求め、看護師や救命士とともに数年かけて比較検討し、広い車内スペースとカスタマイズの柔軟性を持つ「C-CABIN」を選びました。
2024年12月に納車されてから何度か患者搬送を行いましたが、この救急車が患者だけでなく、医師や看護師、救命士など利用する人々の負担を軽減してくれるものだと感じています。今後も現場の課題に合わせてさらに進化させることで、災害医療など様々な現場で活躍してくれると期待しています。
詳しい導入の経緯は「DMM INSIDE」で公開中
さらに詳しい経緯がわかる、葉先生とベルリング代表取締役CEO山木のインタビューが公式オウンドメディア「DMM INSIDE」で公開中です。ぜひご一読ください。
https://inside.dmm.com/articles/belling-hiratsuka-c-cabin-ambulance-decision/
ベルリングについて
消防現場の潜在ニーズから、軽量化技術を活かしたCFRP(カーボン)製「ハイルーフ」を企画開発、消防車の新しい利用形態を創造してきました。消防車で培った知見を応用し、新型救急車C-CABINを開発。現在は救急現場の課題解決にも取り組んでいます。
救急・消防のハードウェアベンチャーとして、「人に役立ち、未来をつくる。」という理念のもと、より多くの命を救う手助けとなるプロダクトの創出に挑戦しています。
URL :https://www.belling.co.jp/