開催背景:揺れを抑えた安全な運転が求められる緊急走行
昨今、救急車の出動件数が増加しています。令和4年度に全国で救急車が出動した件数は過去最多となる約723万件※を記録。現場近くの救急車が出払ってしまうことで遠方からの出動が発生し、それによって救急車の現場到着所要時間や、病院収容所要時間も年々増加傾向にあります。
そんな中、救急車の脱輪や接触事故などによって、搬送時間が増加するケースも全国各地で発生しています。一分一秒を争う緊急走行時における制限速度は、高速自動車国道の本線上で時速100km、それ以外の道路では時速80kmと定められており、通常走行時よりも速い速度での走行が認められています。一定の速度と安全性、さらに車体の揺れを抑えた運転が求められる救急車は、通常より高い運転技術が必要ですが、救急車の運転に特化した講習は各消防本部が独自のやり方で実施するのみに留まっています。
上記の背景をふまえ株式会社ベルリングは、運転技術向上プログラム「D-SUP」を提供している勝又自動車株式会社と共同で、柏市消防局、流山市消防本部の救急隊員を対象に「救急車 運転講習会」を開催しました。
※ 令和6年1月26日、総務省「令和5年版 救急・救助の現況」より
教習コースを使った運転技術向上プログラム「D-SUP」
「D-SUP」は、勝又自動車株式会社が提供している、モータースポーツの要素を取り入れたドライビング技術の指導を行うプログラムです。自分では気付きにくい“運転の癖”を、経験を積んだインストラクターが発見し、アドバイスを行います。
3月6日(水)に実施した「救急車 運転講習」では、一般の乗用車とベルリングが開発した救急車を使用しながら、救急車の走行時に求められるハンドル・ブレーキ・アクセルの操作などをレクチャー。受講した消防隊員の方には、各自の運転の特性や癖を自覚してもらいながら、安全かつ揺れない運転技術を学んでいただきました。
継続的な運転講習会の実施とその意義
ベルリングは、全国の消防局・消防本部を対象に、今後も継続的に運転講習会を開催していく予定です。この取り組みは、単発のイベントではなく、継続的な技術向上支援の一環として位置づけております。救急車運転の質の向上と、救急現場での安全性確保を目指しており、弊社の救急車『C-CABIN』の導入有無に関わらず、全ての消防隊員が参加対象です。
柏市消防局 消防隊員によるコメント
「ブレーキの正しい踏み方や目線の使い方など、これまで学んだことのなかった運転技術を教えていただき、非常に役立ちました。所属部署にも学んだことを共有し、技術向上と事故防止に役立てていきます。」
流山市消防本部 消防隊員によるコメント
「自分では気づくことのできない運転の癖を指摘していただいたことで、カーブの場面などではよりメリハリをつけた運転を意識・実践することができるようになりました。今後の救急業務に還元して参ります。」
勝又自動車社長 勝又隆一によるコメント
「車体の揺れを最小限に抑えた運転を行うことは、救命処置を安定した環境で遂行することや、傷病者の苦痛や不安を低減することに繋がります。そのための運転技術の習得には、弊社が一般の方向けに提供してきた運転技術向上プログラム『D-SUP』が有用だと考え、本講習会を開催しました。今後も全国の消防隊員の方を対象に講習会を開催し、社会貢献する新しい取り組みを行っていきます。
ベルリング 代表取締役 山木拓磨によるコメント
「講習会に参加いただいた隊員の方にはぜひ、日々の救急業務に活用していただきたいです。高度な運転技術は、使用する救急車の種類を問わず、救急現場での安全性と効率性を高めることに貢献できるのではないかと考えています。『C-CABIN』の導入をご検討中の皆様に限らず、どなたでもお気軽にお問い合わせください。
今後も我々は救急車メーカーとして、救急車の製造といったハード面だけでなく、今回の運転技術のようなソフト面においても、救急現場への貢献を果たすべく活動していきます。」
ベルリングについて
消防現場の潜在ニーズから、軽量化技術を活かしたCFRP(カーボン)製「ハイルーフ」を企画開発、消防車の新しい利用形態を創造してきました。消防車で培った知見を応用し、新型救急車C-CABINを開発。現在は救急現場の課題解決にも取り組んでいます。
救急・消防のハードウェアベンチャーとして、「人に役立ち、未来をつくる。」という理念のもと、より多くの命を救う手助けとなるプロダクトの創出に挑戦しています。
URL :https://www.belling.co.jp/