ときにはルールを壊してでも、
力を発揮できる環境に。

現在、DMMが手がける事業は60以上。もはやCOOといえども、すべての事業の詳細を把握することはできません。それに僕は「できる」と判断したらどんどん人に任せていくタイプ。僕の役割は、メンバーが力を発揮できる状態を整えることです。たとえば、問題を解決するために議論の場を設定する。人的リソースが不足しているなら、即座に必要な人を採る。そうしたアプローチで、事業を正しい方向へと導きます。もし組織のルールが問題で、誰かが力を発揮できないのだとしたら、既存のルールを変えることすら厭いません。

ときには僕自身がテコ入れを担うこともあります。直近だと電子書籍事業がそうでした。まず取り組んだのは「今なぜこの事業に力を入れるのか」を掘り下げ、事業のビジョンを明確化すること。その上で、ビジョンの実現に必要なリソースを徹底的に投入。この繰り返しで、2015年頃からの数年間で、売上を30倍にまで伸ばしました。

 

DMMのカルチャーを
「伝播」させていく。

ここまでの話は、僕自身が亀山会長や他の古株社員から学んだやり方です。こういったカルチャーを、僕はこれからも大切にしていきたい。では、全社員を前にしてそう伝えれば、これが浸透するのかといえば、そう簡単なものではありません。結局は、部下や同僚と時間をともにするなかで「伝播」させていくしかないでしょう。企業のカルチャーを継承するとは、そうした地道な営みの繰り返しです。

逆にいえば、僕たちのようなトップに近い人間がアクションを起こせば、それは確実に下へと伝播していきます。最近だと、メディアへの露出がいい例です。会長、僕、執行役員たちの順で、メディア露出が増えています。これからは事業部長や現場で活躍している社員にも、どんどんメディアに出てほしい。世間から見られているという意識が高まれば、責任感も高まります。一社員がメディアから注目されるくらい層が厚い組織であることも外部に示せます。何よりもメディア出演をきっかけに、社員一人ひとりに自分たちの魅力を再認識してほしいと思っています。

 

際限なくもっとカオスに、
もっとチャレンジできる環境に。

DMMの社員の最たる魅力とは、事業に対する真摯さです。自分が発案した事業でなくても、誰もがそれを自分事として全力でサポートします。たとえ社外の人間が発案した事業だったとしても、この姿勢は変わりません。だからこそDMMには社外からも多くの事業が持ち込まれるのです。「DMMに持ち込むと、どんどん事業が大きくなっていく」「どこに相談すればいいのかわからないから、DMMにアプローチしてみよう」。社外からそんな風に思ってもらえたら最高です。

僕自身は、DMMという会社はもっといろんな事業を手がける際限なくカオスな会社になるべきだと思っています。今よりもっとです。うちの社員にだって、まだそこまでの意識はないと思います。だからこそ僕らマネジメントが率先して、もっと自由に、もっと多様なチャレンジができる環境を作らなければなりません。今は心からそう感じています。