※1:IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality (ISMAR) https://ismar21.org/
学会名: IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality (ISMAR) 2021
タイトル:Now I’m Not Afraid: Reducing Fear of Missing Out in 360° Videos on a Head-Mounted Display Using a Panoramic Thumbnail
著者:
山口昌馬(東京大学大学院情報理工学系研究科 修士課程)
小川奈美(DMM VR lab 主任研究員/東京大学大学院情報理工学系研究科 共同研究員)
鳴海拓志(東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授)
※2:http://conference.vrsj.org/ac2021/
研究背景
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて360°動画を見る際には、視聴者は任意の方向を見回してその動画の見える範囲(Field of View, FOV)を自由に定めることができます。しかし,視聴者が動画の一部分を見ているとき,必ず動画の別の部分を見逃すことになり、視聴者は何か重要なものや面白いものを見逃してしまっているのではないかと不安を感じることが知られています。この不安はFear of Missing Out(FOMO)と呼ばれ,360°動画視聴時の課題となっています。
研究概要
そこで、「Now I’m Not Afraid: Reducing Fear of Missing Out in 360° Videos on a Head-Mounted Display Using a Panoramic Thumbnail」では、360°動画のパノラマ全景(以後,全景)を手元に提示することで,視聴体験を損なうことなくFOMOを低減させる手法を提案しました。
さらに、提案手法による視聴体験を、通常の視聴体験と比較する実験を行った結果,提案手法がFOMOを有意に低下させることが分かりました。さらに、提案手法により視聴体験の質は向上し,プレゼンスに関しては条件間に有意な違いは見られないことが分かりました。また,本論文ではユーザが提案手法に対してどのようなインタラクションを取るかを調べるために,視聴時のアイトラッキングデータ及びヘッドトラッキングデータを解析しました。その結果、どのような場面でユーザが全景を確認するかなど、ユーザの全景の使い方に関する知見が得られました。こうした解析結果を元に、個人の使い方や目的に合わせた、より使いやすい360°動画のユーザインタフェースを制作することができます。
DMMと東京大学 VRセンターとの共同研究について
2020年より、DMMは東京大学VRセンターと「VRシステムの評価及び最適化手法の提案」に関する共同研究を行っています。共同研究では、VRシステムにおけるインプット方式やアバタの表示など、VR空間におけるユーザインタフェースへの習熟・没入度などに着目し、科学的に定量解析・評価するための手法を確立することにより、VR空間のユーザインタフェースを最適化することを目標とした学術研究に取り組んでいます。
https://vr.u-tokyo.ac.jp/dmm-utokyo_vr/
DMM VR labとは
2018年12月にDMM.comテクノロジー本部のR&D部門として発足したDMMのVR専門チームです。ハイプレゼンスなVR領域をはじめとしたxR領域における研究と事業創生を目指した開発を行っています。2020年4月には東京大学VRセンターとの共同研究を開始し、2021年1月にはVRコミュニケーションアプリ「Connect Chat」をアーリーアクセス公開し、研究とサービスの両軸で活動しています。
合同会社 DMM.com について
会員数3,545万人(※)を誇る総合サービスサイト「DMM.com」を運営。1998年の創業からこれまで、動画配信、FX、英会話、ゲーム、太陽光発電、3Dプリントなど50以上のサービスを展開。沖縄での水族館事業参入、ベルギーでのサッカークラブ経営など、様々な事業を手掛けてまいりました。また2018年より若手起業家の支援を強化、「DMM VENTURES」による出資や、M&Aなどを積極的に展開しています。今後も、コーポレートメッセージ「誰もが見たくなる未来。」とともに、変化と進化を繰り返しながら、新たな事業に挑戦してまいります。
※2021年2月時点
企業サイト:https://dmm-corp.com/