「CHOOSE YOUR LIFE FES #18歳の成人式」開催背景
これから先の”人生のお守り”を手渡したい。
ハッシャダイソーシャルは、これまで数々の取組を通じて多くの18歳とかかわってきました。18歳の若者たちは、人生において大きな選択の1つである進路選択や、家族や恋人、友達との人間関係など、 子供から大人へと移り変わってゆく日々の中で、悩みを抱えながら未来を生きていこうとしています。この先、様々な困難にぶつかっていくであろう、18歳の若者たちに向けて、あと一歩踏み出せる、あと一歩踏ん張れるような、これからの”人生のお守り”となるような人生に一度の体験をプレゼントし、いつか、この日の記憶を「ぎゅっ」と握りしめて、自分の人生を自分で選択する勇気となってほしい。そんな想いで、この企画を立ち上げました。
18歳の成人たちに贈る大人たちからのプレゼント
18歳の成人式は、参加費無料、手話通訳や車いす席を設置するほか、交通費(上限1.5万円)の補助、オンライン配信の対応などを実施し開催されました。それは、経済的・環境的・身体的な要因などで参加を諦めて欲しくないと考える大人たちからのプレゼントです。サポーター企業さまや、クラウドファンディングで寄付してくれた694名、当日会場でサポートしてくれたキャスト54名。そして開催までさまざまな支援をしてくれたみなさま。心より感謝を申し上げます。
465名が会場参加、316名がオンラインにて参加
18歳の成人式には、北は北海道、南は沖縄県まで、全国から465名が会場に訪れ、オンラインでは316名が参加(URL配布)しました。エントランスに用意されたボードには、成人としての決意や、なりたい自分など、思い思いの言葉が描かれました。
アーティスト「MOROHA」によるオープニングステージライブ
2008年の結成以来、己の全てをさらけ出す熱いラップと切れ味鋭いアコースティックギターでリスナーの心を揺さぶってきた「MOROHA」。「魂の叫び」という言葉で表現されるほど、変わらぬ己の生き様を赤裸々にぶつけるラップと、ヒリヒリするほど研ぎ澄まされたアコースティックギターのぶつかり合いが魅力です。彼らが放つ、現実の厳しさや夢へのあこがれ、大切な人への想いを全身全霊で叩きつける歌詞は、聴く人の心を強烈に共鳴させる力強さを放ち、特に若い世代からの人気につながっています。
「この先の社会に過度に期待をしていました。だけど、MOROHAさんの『世界は変わらない。お前が変われ』という歌詞を聞いて、自分が変わらなきゃいけないんだと思いました。」(参加者)
トークライブ「大人の本音 / 18歳からの人生相談」
「夢をかなえるゾウ」著者である水野敬也氏とタレントの峯岸みなみ氏をゲストに迎え、18歳が抱える疑問に、本音でお答えいただきました。
「10代のうちにこれだけはやっておけ!と思うことは?」
水野氏:デビューです!僕は中学・高校と全くモテなかったんです。男子校だったんですが、スクールカーストの最下位でした。だから詳細な大学デビューの計画をたてて、東京に乗り込んできたんです。仲の良い友達とみんなで金髪にして、大学でもおしゃれな先輩を見つけては自分で話しかけました。大学デビューして、自分から新しい世界に踏み込んだことで、新しい世界が見えました。自分を変えるなら、やりたいことをやるなら今!!
峯岸氏:習慣をつけるのは10代のうちだと思います。私は、LINEやメールなどにすぐに返信する習慣を10代で付けておけばよかったなと。仕事ができる人や交友関係が広い人は、みんなレスポンスが早いんです。私は遅いし、既読スルーしてしまうこともあるので、返事の遅さでこぼれていった縁があるんじゃないかなって。あとは、誰かから何かいただいた時に、その感想をきちんと伝えるのも大切。あげた人の立場になると嬉しいし、人間関係も円滑に回ると思います。
「コンプレックスは、どうすれば克服できますか?」
峯岸氏:コンプレックスは誰にでもあるもの。だけどそれを一旦おいてみて、自分の長所を考えた時、長所とコンプレックスはどこかで紐づいていると思ったんです。たとえば、私はネガティブ思考で物事をマイナスに捉えてしまうところがコンプレックスでしたが、だからこそ、人の痛みに寄り添うことができるのかなと。。自分のコンプレックスがあるからこそ、この長所があるんだと思うと、気持ちが楽になりました。
「人生における最大の失敗は?それをどう乗り越えましたか?」
峯岸氏:10年も前になりますが、これまで積み上げてきたものが壊れてしまって、部屋に閉じこもった時期があったんです。もう誰にも会いたくない、とも思いました。だけど、昔からの友人やメンバーがみんな心配して会いにきてくれたんです。その時に、自分は今はこんな状況だけど、気にかけて話を聞いてくれる人がいるんだと。皆さんも、どんなに辛い時でも、差し伸べてくれた手をにぎり返せば、乗り越えられると思います。
「誰かからもらった言葉で今でも大切にしている言葉は?」
水野氏:尊敬する小説家の方に、「水野くんはブログを書くように小説を書いたほうがいい」と言われたんです。この言葉にはいろんな解釈があると思うんですが、今でも小説を書く際にはこの言葉を思い出しています。信頼している人からもらった言葉に対しては、「きっと何かあるんだろう」と考えて、それに身を預けてみるというのは大事だと思う。たとえ言葉の意味が理解できなかったとしてもね。。
峯岸氏:アイドルを始めた当初、秋元康先生が「アイドルとして売れるのは、みんなでお寿司を食べている時に、最後のウニを食べられるやつだ」って仰ったんです。私は気を遣ってなかなかそれができないのですが、目指すものがある人は、躊躇せずに自らウニを掴み取って欲しいなと思います。
「将来の夢を叶えるにはどうしたらいいですか?」
水野氏:執着心。一見ネガティブに捉えられがちな言葉ですが、執着心こそがものすごく大きなエネルギーをうみます。もちろんそれには苦しさもあります。僕はこれまで、本を出したいという人を100人くらいみてきたんですが、どんなに「ベストセラー作家になりたい!」と言葉にするよりも、結果、本を出してベストセラーを生み出す人は、ずっと机の前に座っている人なんです。執着している人は「やってみてだめだった」の回数や、それに費やす時間が違う。執着心の量が勝負を決める。
「AKB48に所属していた時、周りと比較しなかったですか?」
峯岸氏:私は小学生までは自分のことをイケてると思ってたんです(笑)。だけど中学生でAKB48に入って、まわりは可愛い子の集まり。「自分は可愛くない」と思いました。周りと比較すると、上には上がいる。だけど身近なところに目を向けてみると、自分を大切に思っている人がいると気づきました。自分のことを一番可愛いと思ってくれる人にも出会えました。
よく「視野を広げろ」と言われるけど、視野を狭めて、見たくないことは見ずに、身近なことに目を向けるほうが幸せになれることもあると思います。
「努力は報われる?」
水野氏:報われると思っています。僕は努力が報われないという経験をしたことがあまりない。もちろん、短期的に見れば叶わないこともあります。たとえば、「プロ野球選手になりたい」という目標があって、それが叶わなかったら終わり、ではない。人生は2時間の映画のようには終わらない。人生はずっと続いていくし、変化していくんです。
「自分らしさって何ですか?」
峯岸氏:芸能界は個性がある人がたくさんいるので、「自分て何にもないな」って思うけど、自分らしさは自分で決めることではないなって思います。人が自分に対して「あなたってこうだよね」と思うのであれば、それが自分らしさなんじゃないかな。自分で「自分らしさ」がわからないのなら、周りがそれをみつけてくれるのを待つのでもいいと思います。
18歳のみなさんへメッセージ
峯岸氏:私の18歳は、AKB48として、なりたかったアイドルになって、全てがうまくいっていて「人生ちょろいな」って思ってました。だけどその後、個人として人気が出ない、ランキングに入れない、など予想していなかったことも起こって。当時はもちろん辛かったですが、今思えば、良いことも悪いことも、楽しいことも辛いことも、自分のアルバムをすごくおもしろくしてくれているなって。みなさんも、目の前にあることが全てだと感じて、辛いこともあると思うけど、私たちみたいに、こんなに恥ずかしい大人たちもいるので、人生を楽しんで欲しいです。
水野氏:今日、皆さんに会えてよかった。たくさん恥をかいて、僕が想像していたステージとは全然違うものになったけど(笑)、すごく楽しい時間を過ごせました。それは今回参加してくれたみんなのおかげ。楽しいことも苦しいこともあると思う。「自分はいなくなったって何も変わらない」と思うかもしれないけど、そんなことは絶対にない。いなくなったら悲しむ人は必ずいるから。あなたたちが生きてきた18年が生み出した価値がたくさんあると思います。18年間、生きてきてくれてありがとうございます。
グループワークショップ「18歳のわたし」/ 新成人の主張
自分の過去を振り返り、未来を思い描き、自分自身へ手紙を書くワークを実施。ステージに立ち、胸の中にある喜び、苦しみ、決意など、それぞれの想いをシェアしました。
「自分は高校の時に精神を病んでしまって、もう死にたいと思ってました。だけど、このまま終わりたくない、と一念発起して、MITに進学しようと決めました。休学した期間で学力は低下してしまったけど、この2ヶ月間、本気で努力をして、MITと交流のある東京理科大学に編入できる大学に合格しました。次は東京理科大学に編入するため、大学で成績上位者となり、この東京に戻ってきます!」
「昨日高校を卒業しました。友達はみんな学校生活を振り返って、その時間がなくなることが惜しくて涙を流していた。だけど自分は思い入れがなくて涙が出なくて。だけどそのあと、なんだか人と帰るのが嫌で、友達とは別の道で帰りました。
その場では笑っていたけど、友達と同じ気持ちを分かち合えない自分、充実した日々を送れなかった嫉妬や羨ましさのような感情が湧き出て、涙が出ました。だけど、それを作ったのは自分。人と関わることを遮断していたから。
去年、一人で沖縄に行ったときに、ある人から、「人は点と線でつながる、その先に円になりつながるんだよ」と言ってもらって、それからは人とつながることを頑張ったけど、もう遅くて。昨日は卒業できて良かった、楽しかったと思えなかった。
進学した先では、言われた言葉を大事にして、自分に落とし込んでいって、人とのつながりを頑張ろうって思いました。自分が変わりたいと思ったから、今からできることをやろう。人との関わりを大事にしたいと思ったし、ここにいる人たちとの関わりも大事にしたいと思いました。」
「18歳の成人式の企画を知った時、3年間コロナに制限されてしまった高校生活を送っていたので、嬉しくて、感動して。この企画を考える大人がこの世にいることが希望だと思いました。大人を信じられなくて、怖いと思うこともあるけど、キャストの方も優しくて、暖かい大人の姿を見ることができて、将来に期待が持てるようになった。自分が恵まれていて、贅沢な経験ができたことを噛み締めています。
SUPER BEAVERの曲で、「なんて贅沢な人生だ」という歌詞が好きです。私は高校で大病を患い、転校もしました。いろんなことがあった人生だった。そんな悲しい思い出も、全部自分だから、丸ごと愛せるような、贅沢な人生だと思える生き方をこれからしたいと、今日思いました。」
「SUPER BEAVER」によるクロージングステージライブ
幅広い世代から絶大な支持を集め、日本のロックシーンを牽引する4人組のロックバンド「SUPER BEAVER」。2023年で結成19年目を迎えます。2009年にシングル「深呼吸」でメジャーデビューののち、2011年にインディーズに戻る。2020年の結成15年目に再びメジャーデビューを果たすまで、約10年もの間、年間100本以上のライブを行い、自主レーベルで自分達の音楽をファン一人一人へ届けてきました。SUPER BEAVERの魅力は、難しいことは抜きにまっすぐに胸に届く丁寧に紡がれた歌詞。そして、まるで自分に向けて歌われていると錯覚してしまうほど、1対1で“あなた”に向けて歌われるライブにあり、幅広い世代から絶大な人気を誇っています。
「『らしさ』という曲が好き。その中で、“大人になればなるほど後悔する生き物”という歌詞があります。三浦さんにも、『ちょっとでもステージに立ってみたいと思っているなら、出ないと後悔する』と言われて、やらない後悔よりも、やった後悔の方が良いと思って、今日も発表の場で手を挙げました。これからは、やらない後悔よりも、やった後悔をできるように、色んなことにチャレンジしていきたいです。」(参加者の声)
18歳の成人。心に響いた言葉たち
「勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちにこだわるよ」
父との会話の中で、「今の世代は勝ちではなくやりがいを大事にしている人が多い」と言われた。だけど、人がそう言っているから自分もそうなのではなくて、自分が思うことを一番大事にして、人に理解されなくても貫き通せばいいと思った。
「自分らしさは他人が決めること」
自分は今音楽をやっているんだけど、そのことで、親との関係や、周りからの見られ方と本来の自分自身とにギャップを感じている。自分は身体がでかいけど、繊細なので悩んだりしてしまう。そんな自分の心が晴れる言葉だった。
「食って風呂入って寝ろ」
今は感受性豊かな年齢で、周りの言葉に惑わされて傷ついたり落ち込んだりすることがある。そんな時は、ご飯も睡眠もよく撮れていないことが多い。だけど、食べる、お風呂に入る、寝る、これらをちゃんととれば、「まあいいや」と思えるなと感じた。
18歳の成人式を開催して
今日、18歳の成人式を実現できたのは、ここにみんなを送り出したいと思ってくれた、みんなのために歌いたいと思ってくれた大人たちがいてくれたから。18歳の門出を祝おうと思ってくれている大人がこんなにいるなんて、この社会は捨てたもんじゃないと思いませんか。
僕は、これまで受け取ったものをみんなに渡しただけ。もし自分に余裕があれば、みんなも、ここで受け取ったものがあれば誰かに渡してほしい。人が誰かを思う気持ちのサイクルがずっと回っていけば良いなって思っているので、今日のこの気持ちを忘れないでいてくれたら嬉しいなと思います。
人生は簡単じゃないことを今日のあなたはきっと知っている。身体を起こすのがしんどくて、どこかへ逃げ出したくなったあの朝のこと。思い通りにならなくて、大切な人に当たってしまったあの帰り道のこと。友家族達と分かり合えず、一人涙したあの夜のこと。人生は簡単じゃない。
だからそんな簡単じゃない人生を18年を超えてきたあなたへ。
ちょっと変かもしれないけど、僕たちはありがとうって伝えたい
そしてこれからもきっと人生は簡単じゃない。
それでも頑張れ。あなたはきっと大丈夫、そう伝えたい
大人とか子供とかよくわからんまんまで、あなたはあなたで頑張れ。きっと大丈夫。
18歳、成人、おめでとう。
一般社団法人HASSYADAI social代表 三浦 宗一郎
『CHOOSE YOUR LIFE FES '23 #18歳の成人式』概要
日時:2023年3月8日(水) 開演13:00 / 終演19:00頃
会場:恵比寿ザ・ガーデンホール (東京都渋谷区恵比寿4丁目20番)
オンライン配信
対象:18歳世代 約800名 (2004年4月2日~2005年4月1日生まれ)
※オンラインは、19歳世代・20歳世代の方を含め、人数制限無し。
参加費:無料。交通費負担(上限1.5万円)
主催:一般社団法人HASSYADAI social
協力:マイスエンタテインメント株式会社 / フラットホワイトエンタテインメント合同会社 / 株式会社URAKATA / 株式会社マルイチ / 株式会社worg / 株式会社やるかやらんか
使用写真:https://drive.google.com/drive/folders/1Ro0QTj7ZIF75V-nDC87bDX8vYukgoLhX