大手国内配信事業者で初の次世代動画圧縮コーデック採用により「DMM TV」の視聴体験がさらに向上
DMMはこれまで20年以上にわたって運営してきた動画配信事業の中で、様々な最先端技術を取り入れながら、ユーザーに新たな視聴体験を提供してまいりました。
このたび、大手国内配信事業者として初めて(※1)、「DMM TV」にて業界最先端の次世代コーデックの本格的な採用を開始いたしました(※2)。これによりFull HD(1080p)の映像において、従来の動画圧縮コーデック技術(以下、従来コーデック)によって圧縮された映像と比較して、同等の画質を保ったまま40%~70%程度の通信量でコンテンツを視聴いただけるようになりました(※3)(図1)。
これにより、ユーザーの通信量の節約につながるだけでなく、混雑した回線での安定的な視聴の実現や、再生開始やシーク操作などのパフォーマンス改善等、様々な視聴体験の向上につながります。
また、次世代コーデックはストリーミング視聴だけではなくダウンロード視聴にも適用されるため、スマートフォンのストレージ容量の節約にもつながり、より多くのコンテンツをダウンロードしてオフライン再生いただくことが可能になります(図2)。
※1:当社調べ (2024年7月現在。各社の公開情報などをもとに調査)
※2:一部コンテンツから適用を開始。2024年7月現在、 Androidアプリ / Android TVアプリ / Fire TVアプリに対して提供中
※3:当社比。対応しているデバイスにて、対応しているコンテンツを再生した場合(圧縮率はコンテンツにより異なる)
高圧縮化と高画質化を実現するためのDMMの継続的な取り組み
現在用いられている映像機器は、撮影機器からディスプレイにいたるまで、非常に多彩で高精細な映像を扱うことができることから、これらの機器で撮影、表示される映像は膨大な情報量を保有しています。エンドユーザーが触れるデジタル映像は、そのほぼすべてが圧縮されたデータとなっており、動画圧縮技術は日々進歩しています。
DMMにおいても、20年以上にわたり動画配信サービスを運営する中で、コンテンツの高圧縮化と高画質化にも取り組んでまいりました。2022年12月より提供している「DMM TV」においては、リリース当初よりコンテンツ種別による独自処理やシーン分析によるパラメータ調整など、様々な新しいアプローチによって高い圧縮率と高画質を両立し、「DMM TV」リリース以前に提供していた「DMM動画」と比較して1/3程度のデータ量で同等の画質を実現していました(図3)。
一般的に、次世代コーデックは従来コーデックと比較してパラメータによるデータ量のコントロールが難しく、画質と圧縮率の両立が従来以上に困難であることから、採用障壁が高い技術となっています。
DMMでは、画質指標としてよく用いられるVMAF(Video Multi-Method Assessment Fusion)はもちろんのこと、「DMM TV」の強みの一つであるアニメ作品の豊富なラインナップを踏まえ、アニメーションにおける画質を左右するバンディング(後述)の発生状況等にも着目し、様々な画質評価指標を用いて開発した独自の解析技術により、適切なパラメータを選定することを可能にしました。
こうした取り組みを通じて次世代コーデックの採用を実現した結果、さらに50%程度の圧縮が可能となり、「DMM動画」での圧縮技術と比較して1/6程度のデータ量で同等の画質を実現しています(図4)。
また、複数の大手国内配信事業者と比較しても半分程度のデータ量で同等以上の画質でのコンテンツ提供を達成しているほか(図5)、「DMM TV」と同様の次世代コーデックを採用している大手グローバル動画配信サービスと比較しても、アニメにおいて同等かそれ以上の圧縮効率を実現しています(図6)。
現在の対応範囲と今後の展望
現在、2024年1月期以降に配信開始したアニメ作品を中心に、次世代コーデックによるコンテンツ提供を行っており、随時対象コンテンツを拡大しております。次世代コーデックでの再生に対応したAndroidスマートフォン、Android TV、Fire TV上で、「DMM TV」アプリを用いて対象作品を再生することで、次世代コーデックによる高圧縮高画質な映像をお楽しみいただけます(※4,5)。
再生環境が次世代コーデックに対応しているかは、以下の検証動画を通じてご確認いただけます。Webブラウザからアクセスして検証動画を「お気に入り」に登録いただいた上で、アプリ内で検証動画を再生いただけます(図7)。
・検証動画:https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=s9gi6bum2quhpr8f9vja6c4iz
今後、各種Webブラウザや、iPhone、iPad、VR機器等への次世代コーデックの提供も予定しております。
今後も「DMM TV」では、様々な最新技術の採用と積極的な開発により、ユーザーへ最高の視聴体験を提供することを目指してまいります。
※4:再生環境によっては次世代コーデックによる再生ができない場合があります
※5:具体的な対応機器や対象作品は日々変化するため、個別でのお問い合わせには対応いたしかねます
<バンディングとは>
バンディング(banding)とは、映像や画像の色のグラデーションがスムーズでなく、不自然な線や帯状の境界が現れる現象を指します。動画を圧縮した際に顕著に発生することが多く、夕焼けの空のグラデーションや、淡い色の背景などで頻繁に見られます。特にアニメにおいてはバンディングが発生しやすいシーンが多く、例えばキャラクターの顔に影がかかるシーンで影の部分に輪郭が出てしまうことや、空のグラデーションがスムーズではなく階段状になってしまうケースなどがあります(図8)(図9)。
「DMM TV」では、バンディングを軽減させる様々なパラメータチューニングを行っており、特にアニメの画質向上に大きく寄与しています。
※図9の画像を使用される際は、下記のコピーライト表記の記載をお願いいたします。
©犬塚惇平・主婦の友インフォス/「異世界食堂2」製作委員会
「DMM TV」について
アニメを主軸に、バラエティや2.5次元舞台・ミュージカル、ドラマ、映画など幅広いジャンルのコンテンツを提供する、DMMの総合動画配信サービスです。月額550円(税込)の「DMMプレミアム」に加入することで、新作から独占配信作品、そしてオリジナル作品まで、アニメ約5,900作品、エンタメを含む19万本※のコンテンツをスマートフォン・PC・TVアプリなどからお楽しみいただけます。
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合同会社DMM.comについて
会員数4,507万人(※)を誇る総合サービスサイト「DMM.com」を運営。1998年の創業以来、多岐にわたる事業を展開し、現在は60以上のサービスを運営。動画配信や電子書籍、アニメなどの多様なエンタメサービスに加え、3DプリントやEV充電などのハードウェア分野、web3やAIなど最先端のテクノロジーを取り入れた事業など、様々な事業を手掛けています。2022年にはサブスクリプション会員システムの「DMMプレミアム」を立ち上げ、あらゆるエンタメ体験をシームレスにつなぐ「マルチエンタメ・プラットフォーム」の創造を目指しています。今後も、コーポレートメッセージ「誰もが見たくなる未来。」とともに、変化と進化を繰り返しながら、新たな事業に挑戦してまいります。
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