多岐に渡るジャンルで40以上のサービスを展開し、2019年2月期にはグループ業績が2,200億円を突破したDMM.com Group。約20のグループ会社とグループの母体であるDMM.comの各事業部のそれぞれが、別々のスタートアップのように事業に取り組んでいることが特徴です。
記事では、2018年5月より健康的な献立レシピ提案アプリ「MENUS by DMM.com」(以下「MENUS」)を運営するlife+事業部長を務める勝智哉さんと、同事業部でデザイナーを務める中山麻衣さんに話を伺いました。
「家族に健康的な食事を提供したい」想いからクローズ目前のレシピアプリを他社から買い取り、「MENUS」として再スタートさせた勝さんと、デザインスキルの幅を広げるべくDMM.comに飛び込んだ中山さん。上下関係にとらわれず率直に意見し合うふたりがサービスを成長させてきた軌跡と、life+事業部のカルチャーを明かしてもらいました。

「いけるんだったら、やってみろ」市場調査開始から、3ヶ月で事業買収

―life+事業部はDMM.comでは数少ない、社内起業で立ち上がった事業部だと伺っています。事業がスタートしたきっかけは何だったのでしょうか?

勝 智哉(かつ ともや)セールスソリューション本部 life+ 事業部 部長
東邦大学 理学部生物学科卒業。制作会社にてWEB通販事業を担当した後、2014年に知人とWEB制作会社を起こすも4ヶ月で離脱 。4ヶ月間のニート生活を経て、2014年11月より知人の紹介でDMM.comに入社し、 LC事業部・イベント事業部でディレクターとして開発に従事。2018年2月にlife+事業部を立ち上げ、5月には「MENUS」をローンチした。


勝:僕が育休を取得した際、子どもに食べさせる健康的な料理のつくり方が分からなかった原体験です。栄養バランスが行き届いた献立を教えてくれるサービスを探していたのですが、しっくりくるものが見つからなくて。「であれば、自分でサービスをつくってみよう」と思い立ったんです。

―その後、どのように「MENUS」を立ち上げていったのでしょうか?

勝:実はもともと、ひとつだけ「これは良いな」と思ったレシピサービスがあったんです。しかし、トップページに「サービスの終了」のバナーが出ていて(笑)。終わらせるのはもったいないと思い、そのサービスを運営会社から譲り受けることにしたんですよ。

―すごい行動力!

勝:新規事業開発を担う部署に所属していた元上司に掛け合って、2017年10月に市場調査や資料作成をスタートしました。その準備をもとに、2017年末にCOOの村中に「このサービスを買いたい」と伝えると、「いけるんだったら、やってみろ」と言ってもらえたんです。年明けにはすぐにハンコを押しに行き、事業譲渡の話がまとまりましたね。

―約3ヶ月とは、かなりのスピード感ですね。中山さんは、いつ頃から関わるようになったのでしょうか?

中山 麻衣(なかやま まい)デザイナー
東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。新卒で広告代理店にデザイナーとして入社。その後、デザイン事務所でアートディレクター兼デザイナーを経て2016年にDMM.com入社。現在はlife+事業部で企画・デザインを担当。


中山:事業の立ち上げが決まった直後ですね。

勝:「女性がメインターゲットのサービスだから、女性のデザイナーのほうが顧客視点のUI設計をしやすそう」と考え、適役がいないか探していたんです。すると中山を紹介されたので、話してみると意気投合し、そのままジョインしてもらいました。

―誘いを受けたのは、何が決め手になったのでしょうか?

中山:それまでは主に既存サービスのデザインを手がけていたのですが、MENUSのリブランディングはすべてのデザインを一からつくる必要があったので、経験を積む良いチャンスだと思ったんです。

―実際に手がけてみて、どうでしたか?

中山:レシピに掲載する写真まで自分たちで撮ったりしていましたが、ゼロからサービスをつくるのは楽しかったです。思いついた企画は隣の席にいる勝にすぐ「これどうですか?」と聞いて、「良いじゃん」と言われたらすぐに実現させていき、サービスを良くしていったんです。

―リブランディングに際して、苦しかったことはありますか?

中山:壁はいくつもあったので、定期的に大変な時期は訪れました。けれど、毎回終わってみれば自分のスキルがアップデートされていて、やりがいになっていましたね。

まるで「学校」。上下関係にとらわれずコミュニケーションできる職場環境

―お二人がDMM.comに入社された背景も教えてください。

勝:もともと別の会社でWEBディレクターとして働いていました。その後起業するも思うような結果を出せず、ひとりで会社を抜けて特に何もしない日々を送っていたところ、DMM.comで働いていた知り合いから「ディレクター職を募集しているから来てみない?」と誘われたんです。
WEBディレクターとしてのスキルを活かせるだろうと思ったこと、もともと知り合いも多く、「自由な雰囲気な会社だ」と聞いていたことが決め手になりました。実際に入社してからもイメージ通りでしたね。

―中山さんはいかがでしょうか?

中山:前職では紙媒体のデザイン業務に従事していたのですが、「紙だけでは食べていけないかも」と思い、WEBデザインを学べる会社を探していたんですよね。とあるセミナーでDMM.comの人に声をかけられ、「あ、DMM.comって成人向け事業だけじゃないんだ」と知ったんです。事業内容を調べていくと「楽しそうだな」と感じ、入社を決めました。

―紙媒体のデザインを手がける企業からの転職だと、働き方に大きなギャップがあり、驚かれたのではないでしょうか?

中山:仕事におけるコミュニケーションの取り方が、全然違いますね。前職は割と上下関係がしっかりしていましたが、今は誰とでもフランクに話すことができて、学校みたいな感じ。社内で役員の人とすれ違ったときも、こちらから気軽に話しかけていますね(笑)。

―入社してからは、どのように仕事の幅を広げていったのでしょうか?

中山:知らないことであっても萎縮せずに、周囲のエンジニアやデザイナーに仕事のやり方をどんどん質問していました。前職で培ってきた知見を武器に、手の届く仕事からはじめ、徐々にWEBの仕事を増やしていきました。

「思うままに意見できる」プロフェッショナリズムを尊重し合うカルチャー

―life+事業部の方たちが、お仕事に臨まれている際の雰囲気についても教えていただけますか?

勝:社員は15人ほどで、アルバイトの子もいて、女性比率が高いです。開発と運営にチームが分かれていて、どちらも良い意味でワイワイしています。上司も部下も関係なく、好き放題に意見し合っていますね。デザインなんかは、「センスない!」とボロクソに言われてしまうので、僕はいっさい口出ししません(笑)。

―忖度なく発言できる環境なんですね!

中山:デザインが通らなかったことは一度もないですね。勝にデザインを提示するときは、「これでいきたいです」と許可を取りに行くというより、「これでいきます!」と私が決めたものを伝えています。

勝:デザインに関しては素人の僕が「これ、何となく嫌です」と曖昧な理由で反対するのは筋違いですよね。明らかにお互いの温度感がズレている場合を除き、プロフェッショナルが本気でつくったアウトプットは、基本的にすべて採用するスタンスなんです。

中山:しっかりとコミュニケーションができる人が活躍できると思います。勝の言う通り、何でも自由に発言できる環境なので、難しいことがあっても抱え込まずに「じゃあ、みんなで解決方法を考えよう」と気楽に相談すればいい。私はデザイナーですが、運営担当のメンバーから相談されてアイデアを出すこともあるし、デザイナー以外のメンバーにデザインの相談に乗ってもらうこともあります。

―life+事業部で働くからこそ得られる経験や、伸ばせるスキルはありますか?

中山:デザインに関して言えば、「学べないことはない」くらい多様な経験ができますね。WEBはもちろん、ユーザー向けの座談会などのイベント設営や紙媒体など、幅広い領域のデザイン業務が存在しているので。

勝:システムに関しても、基本的にツールや言語の選定はすべて開発担当に任せており、チームにとって開発を進めやすい環境を整えています。自らの行動で何でも変えていける職場なので、自主性のある人にとっては働きやすいのではないでしょうか。

―最後に、DMM.comやlife+事業部に興味を抱いている方に向けてメッセージをお願いします。

中山:学びながら成長していきたい人には、向いていると思います。積極性さえあればいくらでも仲間を増やすことができて、情報交換や学びの場も多い。にぎやかな雰囲気が好きな人は、楽しく働けるはずです。

勝:強い野心を持っている人は、来たら楽しいと思いますよ。年齢に関係なく仕事を任せるカルチャーがあるので、やりたいことをやれるはずです。心の底からやりたいことがあるのなら、ぜひ来てほしいです。

構成:岡島 たくみ(モメンタム・ホース) 編集:小池 真幸(モメンタム・ホース)