プロジェクトストーリー

PROJECT STORY

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半導体不足とサーバーダウンを乗り越え、 DMMオンクレが急成長した理由

  • 失敗を肯定する文化
  • 非上場にしかできない経営判断
  • 圧倒的な意思決定スピード
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OUTLINE
サービス概要

「DMMオンクレ」は、スマートフォンやパソコンを使って実物のクレーンゲーム機を遠隔操作し、24時間どこからでもクレーンゲームを楽しめるサービスです。 限定のオリジナルアイテムをはじめとした、3,000種類以上の豊富な景品と10種類以上の遊び方をご用意しています。 また景品や遊び方のラインナップを増やしていくことで、飽きのこないワクワクし続けられるオンラインクレーンゲームサービスを目指したプラットフォームです。

今後DMMオンラインクレーン事業は、先進的なWeb技術とエンターテインメント知識を活用して、市場の期待を超えるサービスを提供します。

参入背景

2021年、株式会社オルトプラスからのビジネスプラン提案を受け、ジョイントベンチャーとして株式会社DMMオンクレが設立されました。 新型コロナウイルスの流行を契機に、オンラインクレーン市場は急速に拡大。 その市場において、DMMは最後発での参入となりましたが、オンラインクレーンゲームは24時間365日、いつでもクレーンゲームを楽しむことができる利便性や、生鮮食品を含む多様な景品を扱うことができる点など、実店舗のクレーンゲームに勝る部分が多くあります。

そのため、新型コロナウイルスの影響が収束しても、一時的なブームに留まらず、持続可能な市場になり得るという考えのもと、参入を決断しました。

EPISODE 01

最後発で参入しながら、売上450%増

「DMMオンクレの立ち上げや運営を進めるにあたって強く意識してきたのは『将来利益の最大化』。 会長の亀山からは『今は赤字でもいいんだよ。 長期的に利益が見込める、筋の良い商売ならやってみろ』と言われ続けてきました」

そう話すのは、DMMオンクレの責任者であるオンラインクレーン事業部長の松縄貴重氏です。

DMMオンクレはオンラインクレーンゲームを提供するサービス。 ユーザーは実物のクレーンゲームをスマートフォンやパソコンから遠隔操作し、獲得した景品を配送で手に入れることができます。

景品は限定のオリジナルグッズを始め、3,000種類以上。 ゲームスタイルも10種類以上用意されています。 これらのゲームを、24時間いつでもどこでも楽しめるのも魅力です。

そんなDMMオンクレですが、2022年4月にローンチし、今期の売上は昨年対比450%と急成長しています。

しかし、オンラインクレーンゲーム自体は珍しいものではありません。 実は10年以上前から存在していて、新型コロナウイルスの流行をきっかけに市場が急拡大。 大手アミューズメント企業を始めとした複数の企業がサービスを展開し、ユーザーをつかんでいました。 DMMは最後発の参入でしたので、先行企業に勝つのは容易ではありませんでした。

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EPISODE 02

オンラインクレーンゲームに勝ち筋を見出す

それでも参入したのは、勝ち筋があると見込んだからです。

2020年5月に入社し、このプロジェクトを社内で提案した松縄氏は、自身がクレーンゲーマーであり、既存の他社サービスに対して改善すべき点があると感じていました。

オンラインクレーンゲームの参入障壁は決して低くありません。 運営するには、数百台のクレーンゲーム筐体とそれらを置ける倉庫スペース、筐体を24時間管理するための人員を工面し、クレーンゲームをストレスなく動かせるアプリを開発する必要があります。 多様な景品を大量に仕入れてストックすることやオリジナル商品を開発することも欠かせません。 そして何より、後発でのし上がるには大々的なプロモーションが不可欠です。

しかし、DMMはライバル他社を圧倒できる投資体力を持っていました。 また、DMMTVやオンラインゲームなどですでにエンタメ業界とのコネクションがあり、オリジナル商品の開発もスムーズに取り組める、という強みもありました。

それを活かしてライバルより質の高いサービスを提供すれば、最後発の参入であっても追いつき追い越せる、と松縄氏は踏んだのです。

「オンラインクレーンゲームは、24時間365日クレーンゲームを楽しめる利便性や、生鮮食品も扱える景品の多様性など、リアルより勝る部分が多くあります。 新型コロナウイルスが終焉しても、一過性の流行ではなく生き残り続ける市場だという読みもありました」(松縄氏。 以下同)

2020年の12月に社内で提案し、亀山敬司会長や村中悠介COOとの壁打ちミーティングを重ね、参入することが決まりました。 半年後の2021年6月には、DMMGAMESと取引があったゲーム開発会社・オルトプラスと合弁で運営会社「DMMオンクレ」を立ち上げ、松縄氏が代表取締役に就任しました。

「DMMは新規事業を立ち上げるスピードが速い。 その理由の一つには、会長の亀山やCOOの村中とのアポが取りやすいこともあります。 企画会議をしたいと連絡したら、『では5分後にしようか』ということも珍しくありません。 社員が4,600人もいる規模の会社で、会長やCOOとすぐに会える会社はそうそうないと思います。

亀山や村中との壁打ちミーティングで感じたのは、どうすれば事業は本当に伸びるのか、勝てるのか、にこだわっていること。 私もその考えを植え付けられました」

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松平健さんが登場する「DMMオンクレ」新CMで毎日がもっと楽しく!「毎日がカルナバル」編
EPISODE 03

ローンチ直後に2カ月のサービス休止を余儀なくされるが…

会社を立ち上げてからは、筐体や設置スペースの確保、アプリ開発、景品の仕入れ・開発、数十名の人員の採用などを急ピッチで進め、2022年4月にはサービス開始にこぎつけました。

「亀山と村中はものすごく権限を移譲してくれることに加えて、DMMは一定規模の企業にありがちな社内営業や社内調整が極端に少ない。 また非上場企業なので、株主の意見を尊重しなければならない、ということもありません。 だから新規事業開発は非常にやりやすいですね」

とはいえ、新規事業に壁は付き物であり、DMMオンクレもすべてが順調に進んだわけではありません。

誤算だったのは、世界的な半導体不足によって、筐体の仕入れ値が高騰したことです。 中古の筐体を500台仕入れる予定だったので、計画通り仕入れると、当初の予算よりもオーバーしてしまいます。 最初の段階で、DMM本体に予算の増額を掛け合う必要に迫られました。 ただ、経営陣からは相談したその場で数千万単位の増額を認められたといいます。

「すぐにOKが出たのは、『勝てる見込みがあるなら、もっと積極的に行こう』そう判断されたようです」

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当時の苦境を振り返る松縄貴重(エンターテインメント&EC本部 オンラインクレーン事業部 事業部長)

ローンチ直後には別の壁が立ちはだかりました。 それは、ユーザーが殺到したことでサーバーがダウンし、クレーンゲームのサービスを安定的に提供できなくなったことです。

原因を調べると、プロダクトのサーバー構成に問題があることが発覚し、短期的な処置では改善できないことが分かりました。

オンラインクレーンゲーム市場は今後も必ず伸び続けるはず。 中長期的な事業の成功のためには、中途半端に再開するのではなく、2カ月はサービスをストップするのが望ましい。 松縄氏が出した結論です。

ローンチしたばかりの新規事業を2カ月も止めることになれば、ユーザーに対するイメージの低下は避けられません。 多くの企業の経営者は2カ月も許さず、「1日でも早く再開せよ」と言うでしょう。

しかしボードメンバーは、失敗をとがめることなく、松縄氏の提案を抵抗なく受け入れました。

「亀山には、とくに叱られることなく、『松縄が2カ月止めた方がいいと考えるのなら、それでいいんじゃないか?』とだけ言われました」

目先の利益ではなく、「将来利益の最大化」という観点が一致したわけです。

2カ月間サービスを休止をして、システムをじっくりと構築し直したことで、再開後は大きな問題がなく、ユーザーにストレスがかからないサービスを提供できるようになりました。 その後、急成長を遂げたのですから、判断は正しかったといえるでしょう。

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EPISODE 04

「もっとアクセルを踏め」はDMMあるある

DMMオンクレが急成長を遂げた理由の一つには、Web広告などのプロモーションを一気呵成に展開したこともあります。

ローンチしてしばらく経った後、松縄氏が、プロモーションの企画と予算を提案したところ、亀山会長から「なんでもっとアクセルを踏まないの?」「もっと予算を増やして、アクセルを踏み込め」とアドバイスされたそうです。 プロモーションの予算は松縄の提案の2.5倍にも膨らみました。

「『もっとアクセルを踏め』と亀山に背中を押されるのはDMMあるある。 その根底にあるのは、まさに『将来利益の最大化』だと思います。 最近、ようやく言われなくなったので、亀山の考え方が身についてきたのかしれません」

急成長をしているものの、まだまだ目標には届いていない、と松縄氏。 今後はオンラインクレーンゲームにとらわれず、アミューズメント性を追求していくことで、ユーザーの裾野を広げていきたいと語ります。 すでに新たな企画が複数進行中で、2024年度中にリリースされるといいます。 将来利益の最大化に向けて、DMMオンクレはますます加速していきます。

「DMMで働いていて思うのは、社内政治に奔走することなく事業に向き合える時間が非常に多いこと。 アクセルを踏める一方で、法務のようなブレーキもしっかりしていて、上場企業と非上場企業の良いとこどりができている会社だと思います。 事業に取り組む人をボードメンバーがしっかり応援してくれますし、新規事業をしたい人にとっては最高の環境ではないでしょうか」

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掲載内容は20247月時点のものです