プロジェクトストーリー
プロジェクトストーリー
日本屈指の規模で生成AIサービスを開発。 創業10年で企業価値1兆円を目指す
- 非上場企業にしかできない経営判断
- 圧倒的な意思決定スピード
- 商売が好き
- チャレンジある人にチャンスあり
- 企業概要
Algomaticは大規模言語モデルなどの生成AI技術を活用したサービスの開発・提供を手がける、DMMのグループ会社です。 2023年4月に設立。 「AI革命で人々を幸せにする」というミッションを掲げ、時代を代表する事業群の創出に取り組んでいます。 グループ内で調達した20億円を原資とし、複数の事業の開発・提供をしています。
- 参入背景
生成AI技術は近年、飛躍的進化を遂げています。 しかし、生成AIを駆使したアプリケーション領域で、確固たる地位を築いたプレイヤーは未だ存在しません。 リーディングカンパニーとして、市場の発展に貢献すべく、国内では前例のない規模である20億円の初期投資を行い、生成AI市場へ本格的に参入しました。
スタートアップとしては破格の20億円を調達
「時代を代表する事業群を創り、創業から10年で企業価値1兆円を超える会社にしたい」。 大きな目標を口にするのは、株式会社Algomatic代表取締役CEOの大野峻典氏です。
Algomaticは2023年に創業したDMMグループの企業。 大規模言語モデルなどの生成AI技術を活用したサービスの開発・提供を手がけています。
一見、大きな目標に映るかもしれません。 しかし、創業から1年半の歩みを見れば決して非現実的な話とはいえません。 同社はスタートアップとしては異例の20億円の資金をグループ内で調達。 その潤沢な原資を使って、複数の生成AIを駆使した新規事業を一気に開発しています。
「日本国内を見渡しても、僕たちと同じ投資規模で生成AIを核としたアプリケーションの開発に挑むプレイヤーは他にはいません。 DMMと亀山さんに出会わなければ、これほどの挑戦は実現どころか、発想すらしていなかったかもしれません」
『儲かる事業とは何か』を徹底的に考えた
Algomaticを立ち上げる前、大野氏はAlgoageという会社を経営していました。 東京大学の研究室在籍中に研究していたAI領域に可能性を感じ、「若くして戦えるのは新領域だ」「様々な領域で未踏なAIモデルを作って、多くの人に使ってもらいたい」と起業したのです。
経営は順調でしたが、自己資金で始めたこともあり、できることには限りがあります。 そんななかで出会ったのがDMMです。 AIに力を入れたいDMMと、グループの豊富なリソースを活用してサービスを開発したい大野氏の思惑が合致し、2020年にM&Aでグループにジョインしました。
しかし、グループ参画後も約1年、非連続な成長への道を模索していました。 ターニングポイントとなったのは、会長の亀山と事業案の壁打ちを始めたことでした。
非連続に成長する事業を生み出したい、と大野氏は意気込んで複数の事業アイデアを持っていきました。ところが、100本出しても、答えは「ダメ、ダメ、ダメ」。 箸にも棒にもかかりませんでした。
「ただ、亀山さんと毎週のように議論を重ねるうちに、亀山さんが考える『儲かる事業の本質』が僕の中に少しずつインストールされていきました。 それは、一言で言うと『間違いなく売れるものを作る』ということ。 当たり前なのですが、意外とこれって見失いがちだと思うのです。 つい『人々はこういうものを欲しがる“かもしれない”』というサービスを考えてしまう。でも、本当に問うべきは『人々が確実に求めるものはなにか?』だったんです。 この経験を通じて、僕の事業に対する見方は大きく変わりました」
大きな挑戦をしないと、機会損失につながる
そうして新サービスを立ち上げた後、大野氏は、新たな技術潮流として台頭してきた生成AIを軸にした事業展開について考え始め、会長の亀山とも議論をしていました。
「生成AIの台頭は、インターネットやスマートフォンの登場に匹敵する歴史的な転換点。 この波に全力で乗って、非連続に成長する事業を作りたい。 そんな構想を亀山さんに何度も話しました。 すると実際に亀山さんもChatGPTを試されたようで、『確かにものすごい変革が起きそうだね』と。 『じゃあ大野は、何をするのがいいと思う?』とシンプルな問いを投げかけられました」
会長の亀山との対話を通じてもう一つ、大野氏が気付かされたのは、「機会損失」の重大性です。
議論のたびに、亀山から投げかけられた言葉は「もっと大きな挑戦はないのか?」「それでは機会損失が大きくないか?」というものでした。
生成AI領域は未だ黎明期であり、大きな可能性を秘めており、世界中のプレイヤーが先行者利益を狙って動き出しています。 ここ1、2年が勝負と考えると、大きな事業を創るチャンスは今しかありません。
「振り返ると、当時の僕は慎重すぎるアプローチを取ろうとしていました。 亀山さんから見たら、それは大きな機会損失だったのです。 1兆円規模のビジネスを作るチャンスがあるのに、その挑戦をしないことのほうが重大な損失だという考えなのです。
そんな考えの亀山さんと話を重ねるほど、究極的に最も貴重な資源は時間であり、その時間を小さな挑戦に費やしてしまうことがいかに勿体ないことか、痛感するようになりました。 今では、僕の心の中のリトル亀山が『ちっぽけ過ぎないか?』と常にささやくようになりました」
こうして議論するなかで出た結論は、とてもシンプルなものでした。 チャンスの種を増やすために、一気に複数の事業を立ち上げるということです。 その実現に必要な多額の資金についても、すぐに解決の道が開けました。
「亀山さんから『どれぐらいあればできると思う?』と問われ、『20億円です』と答えたら、その場で『じゃあ20億円で』と即決されました。 もちろん僕の中で計算した上での金額でしたが、それを即座に信じて決断することはすごいことです。 そこには、事業立ち上げのスピードが遅れたり、資金投入が中途半端になったりしたら、それこそ取り返しのつかない機会を失うという考えがあったのでしょう」
DMMにいると自分もできそうな気になる
会長の亀山に相談してから、わずか半年後にAlgomaticは設立されました。 事業部門ごとに独立性をもたせるカンパニー制を採用したため、各カンパニーにはカンパニーCEO筆頭に優秀なメンバーが不可欠でしたが、着実に実力のある人材が集まってきました。
「初期投資として20億円という大きな資金を使って複数の生成AIサービスを同時に立ち上げる、という前例のない挑戦に魅力を感じ、生成AIの可能性を確信する人々が集まってきてくれました。 この独自のポジショニングは、優秀な仲間集めに非常に効果的でしたね」
現在は4つのカンパニーが新たな生成AIサービスを開発しており、時代を代表する事業群を作り出そうとしています。
「大規模な資金を投下して複数事業を並行して立ち上げることは容易ではありませんが、DMMは、それをより高次元で実現しています。 そのトップである亀山さんと話していると、自分もできそうな気がしてきます。 まずは現在の事業領域でトップを取ること。 そうすれば、自然と大きな目標に近づけると考えています」