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    DMMが映画参入!紀里谷×亀山特別対談:日本の現状では世界規模のコンテンツは作れない!

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    クライヴ・オーウェン、モーガン・フリーマンといった一流キャストを迎え、『CASSHERN』『GOEMON』の紀里谷和明監督が5年の歳月をかけて放つ、ハリウッド進出作「ラスト・ナイツ」。その製作にDMMが深く関わっていることをご存知の読者は、まだ少数だろう。今回は紀里谷監督とDMM会長の亀山敬司氏が、日本映画の現状を語る対談の模様をお届けする。

    日本映画じゃなくて世界規模のものを作りたい

    Q.亀山会長と紀里谷監督の出会いと、DMMが映画参入を決めた理由を教えてください。

    (亀山会長)紀里谷さんとは3年前ぐらい前に会って投資したんだけど、完成までに1年以上遅れたんじゃない?

    (紀里谷監督)出来上がりが遅くなって、すいません。

    (亀山)その頃の彼は、日本映画界の嫌われ者と言われてたんだけど(笑)、知人に紹介されてね。

    (紀里谷)はい。今晩は。しくじり先生です(笑)

    (亀山)それで「何やりたいの?」という話になった時に、日本の市場だけを見ていたら予算が限られる中で、もっと制作費をかけて世界で勝負出来るようなコンテンツを作りたいと。

    過去にも映画への投資話はいくつかあったけど、日本市場だけで採算を取るのは難しいと断っていた。でも今回話があったのは、日本人俳優は出演させるけど韓国やアメリカとか色んな国籍の人を入れた上での本格的な、世界に通用するコンテンツにしたいということだったので、それなら面白いかなと。

    例えば最近実写化された「進撃の巨人」とかの原作は無国籍な感じじゃない。でもそれを日本人だけが出演して日本向けに作っている。それより外国人も入れて洋画として市場を世界に見れば、予算は何倍もかけられるし日本での興行収入は減らないと思う。でも現状は日本の中で興業を成功させればいいと考えている人が多かったし、同じ様な構想は持っていても実際に作る人はいなかった。でも彼は既に色んな段取りを付けていて、あとは資金繰りのことだけだった。本気でやろうと思っていたので、じゃあその話に乗ってみようと思ったのがキッカケかな。

     

     

    日本の映画会社「国内で稼げてるんだから、いいじゃないか」

    (紀里谷)最初に「CASSHERN」を撮影した時は6億円という予算でしたが、その頃から世界でも観てもらえるものを作らなきゃいけないということを考えていました。

    今の日本のマーケットは縮小傾向にあって、予算がどんどん下がっている。でもハリウッドでは予算が上がって行く一方なので、同じ1800円のお金を払うお客さんが日本の作品を観るとき、以前は10分の1予算作品だったのが今は20分の1だったりするんですね。作り手側としてはその壁をどうやって乗り越えて行くのかを考えないと、日本では作れないんですよ。

    僕はハリウッドに憧れて、こういうことをやっている訳ではなくて、作りたいものがあってそのためにはマーケットを大きく見て行くしかないという形なんですね。

    それで日本の映画会社に説明に行って「お願いします」と言ったんですが、全員から「NO」を付き付けられてしまったんですね。いくら理屈を説明しても先程、会長が仰ったように「国内で稼げてるんだから、いいじゃないか」という訳ですよ。

    そんな時に亀山会長をご紹介いただき、出資していただけるというお話になったんですね。配給の件でも世界30ヵ国で売れて唯一日本だけ買ってくれなかったんです。

    それで仕方無いので自分たちで配給もやらないとダメだと思ったので、「DMM.com presents」とさせて頂きました。

     

     

    日本のコンテンツがハリウッドに買いまくられている

    (亀山)今回の映画は「忠臣蔵」を題材にアメリカのライターがシナリオを書いたんだよね?

    (紀里谷)はい

    (亀山)「忠臣蔵」は昔の話だけど、今の日本には漫画や小説などに素晴らしい原作はいっぱいある。だけど現状そういう映画の制作権はハリウッドに買い取られて行ってる。

    (紀里谷)そういうのも見ていて悔しいと思っていて。10年間ハリウッドにいて関わっていると、アメリカの映画会社に「アキラ」とかあらゆるコンテンツが買われている訳ですよ。それで「アキラってどうなりました?」と幹部に聞いても「そんなのウチ買ってるの?」という感じなんです。持ってることすら知らない。ありとあらゆるコンテンツが買われているんだけど、結局作られたのは「ドラゴンボール」だけなんですよね。

    優秀な制作ノウハウが日本にはあるし、日本のスタッフと世界のスタッフでどこかの国に行って撮影すれば、今のハリウッド映画の何分の一かの予算で作れるんですよ。

    (亀山)今回スタッフは世界中から集めて、日本人は・・・

    (紀里谷)僕と伊原剛志さんです。ロケ地もチェコです。

    (亀山)まあそんな思いで実際動けばノウハウが貯まるよね(笑)。私が特に知りたかったのが流通で、例えば日本の配給で5億売上がるとき、アメリカやヨーロッパではいくら上がる?利益がいくらになる?そういう数字っていうのはやってみないと分からないので、彼の経験の中で理解して行く。それでそういうのが分かってくれば、次回作の収支が見込める。だから正直言って「僕は紀里谷監督の作品に惚れこんで出資します」というんじゃなかったんだよね(笑)

    (紀里谷)どっちかと言えば岩井俊二監督が好きですもんね(笑)

    (亀山)そうそう個人的には岩井俊二作品が好き(笑)。でもああいう繊細な描写は韓国や中国では人気あっても、アメリカ人が理解するかというとまたちょっと違う気がする。

    なので今回の出資をもとに彼のやった事をあとで教えて貰い、数字的なところも見えて行ければ、例えば「進撃の巨人」や「ジョジョ」や「デビルマン」や「銀英伝」などの海外実写版を作って行くこともあり得るんじゃないかなと思ってる。

     

     

    新たなビジネス構造を作ることでクリエイターが上手くやって行ける仕組みを

    (紀里谷)私たちは、ある種“宝の山”に座っている感じなんですね、これだけのコンテンツ、アニメ・漫画・小説があるのに、それをみすみす売っちゃって、ドリルを突き刺されて吸い取られてる。

    今、中国のマーケットがアメリカのマーケットに並んで追い抜こうとしているんです。中国は今ものすごくお金を使って映画を作っています。世界中からスタッフを集めている。日本がやるべきだったのに中国がやっている。

    それとアメリカではネットフリックス・フールー・アマゾンなどが、既存のコンテンツ配信だけでなくオリジナルのコンテンツを作り始めてる。これが上手く行ったら映画会社を越えて行く可能性もある。世界中で劇場配給を抜きにして、配信が始まってしまうことになるんですね。

    今、僕は配給もやらせてもらっていて、今まで知らなかったこととか凄く勉強させてもらっています。

    (亀山)自分は商売人なのでクリエイティブには関わらず、中国人のキャスト入れて中国市場を狙って行くとか、映画の配給にこだわらずネットフリックスに売り込みに行くのかとか、そういう儲かるビジネスの構造を作ることで結果的にクリエイターが活躍できる仕組みを作りたいと考えてる。

    今回は実験的なところもあるし2作目はまだ決まって無いんだけど、どうせやるなら中国市場を取りたい。でも中国作品じゃないと中国での配給は難しいので、紀里谷さんには中国人と結婚してから撮って貰おうかな〜(笑)。

    (紀里谷)はあ…。

     

     

     

    プロフィール

    映画監督
    紀里谷和明
    1968年熊本県生まれ。数々のアーティストのジャケット撮影やミュージックビデオ、CMの制作を手がける。2004年映画「CASSHERN」で監督デビュー。2009年映画「GOEMON」を発表。著書に小説『トラとカラスと絢子の夢』(幻冬舎)がある。最新作のハリウッド映画「LAST KNIGHTS」が2015年11月日本公開予定。

    オフィシャルサイト:http://www.kiriya.com/

     

    プロフィール

    DMMグループ会長
    亀山敬司
    石川県のレンタルビデオ店からアダルト、IT、太陽光発電、FX、英会話、3Dプリントと節操なく事業展開をする実業家。めったに人前に姿を現すことがなく、その正体は謎につつまれている。

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