DMM AUTO事業部長の西小倉里香さんは、過去にボランティアや起業といった稀有な経験を持つDMM.comのイントレプレナーです。

「海外で起業する予定だった」彼女は、なぜDMM.comで事業部長になったのでしょうか。入社の背景から、DMMににいるからこそできるキャリアの実現方法まで、赤裸々にお話を伺いました。

目標の実現に最も近い会社、DMM

—— 西小倉さんは過去に、起業していたり、海外スタートアップでインターンをしていたりと、非常にアクティブな過去をお持ちだとお伺いしています。まずは、これまでの経歴について教えてください。

西小倉 里香(にしこくら さとこ) DMM AUTO 事業部長
自動車領域での事業開発や共同創業のスタートアップ企業でファウンダーを経験後、ニューヨークへ渡りスタートアップでインターンを行う。2017年に帰国し、DMM. comに入社。2018年よりDMM AUTO事業部長。


西小倉:話せば長くなってしまうので、かいつまんでお話しさせてください(笑)。

舞台の大道具制作から、社会人キャリアがスタートしています。その後、新潟中越地震のボランティアに参加し、そこで出会った経営者の方との縁で、自動車領域のスタートアップで事業開発をしていました。

その後東京に戻り、兄とスタートアップを共同創業して、ファウンダーとして6年間勤務。ただ、グローバル単位の事業をつくりたくなり、退職して渡米したんです。ニューヨークの学校に通いながら、起業の準備をすべくニューヨークのスタートアップでインターンをしました。

そのまま海外で起業しようと考えていたのですが、アメリカで一生暮らすイメージが出来ず、最終的に帰国しています。その際に、縁あってDMM.comに声をかけていただき、現在に至ります。


 

—— 起業を考えられていたのに、DMM.comへの入社を決めたのはなぜでしょうか。

西小倉:やりたいことが、最もスピーディに実現できると思ったからです。「グローバル単位の事業をつくりたい」と思っていましたが、起業なのか、会社員なのか、スタイルにこだわりはありませんでした。

正直なことを言うと、DMM.comのことは全く知らなかったのですが(笑)、人づてに紹介をいただき、亀山会長が「好きに新規事業を提案していいよ」と言うので、入社を決めています。安直ですが、「これほど大規模な事業会社で自由にやれるなら、最速で成功できるだろう」と思ったんです。


 

やりたいことより、うまくいくこと

—— 入社後、現在のポジションに就くまで、どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか。

西小倉:まずは社長室に配属となり、PMI(Post Merger Integration)の担当として、買収企業や子会社のモニタリング、経営企画を担当していました。ミーティングの設定や毎月の決算書の確認と改善、経営陣との面談など、ありとあらゆる業務を同時並行で行っていましたね。

正直とても大変でしたが、社長室で働いた経験は、視座を高めるいい経験になりました。経営幹部候補との面接も担当していたので、私の数倍も高いお給料を希望されている方とお話をしたりするわけです。

私が経験したことのない規模感でビジネス経験を積んできた人や、高度な専門性を持った人と対等に会話しなくてはいけないので、日々勉強する必要がありました。ただ、そうやって背伸びをずっとし続けられたお陰で、プロフェッショナリズムが育ったと思います。
稀有な経験ができるので、社長室で働くことは好きでした。とはいえそもそも、入社したのは事業がつくりたかったからです。そこで入社して半年が経過した頃に、DMM AUTOを構想し、会社に提案しました。


 

—— まずは会社内で経験を積んでから、いよいよ事業立ち上げに踏み込まれたんですね。事業領域を車買取・中古車査定に定めた理由を教えてください。

西小倉:「成功率が一番高い」と感じたからです。

私から見た印象ですが、事業立ち上げ当時のDMM.comには、類を見ないアイデアマンや飛び抜けて優秀なプログラマーといった“尖った人材”よりも、粘り強く事業に取り組めるバランスの取れた人材が多く在籍していた気がします。なので、地に足をつけてPDCAを回せることが価値になる事業モデルを選んだ方が確実にスケールすると思っていました。

また、私が自動車業界にいること自体に意外性があると感じたんです。自動車業界の経営者は年齢層が高く、40代でも若手と言われています。また女性が少ない業界でもあるので、存在そのものに意外性があり、それだけで目立てると思っていました。


 

西小倉:事業立ち上げに至っては、「自分のやりたいことをやるよりも、うまくいっているほうが絶対おもしろい」というのが私の心情。それに会社から多額の投資をもらう以上、成功率が一番高いであろう事業を行うことが必須だと考えているため、DMM AUTOを立ち上げています。


 

—— そうなんですね。事業を立ち上げる際に、いずれは子会社化するか、その際は株式を保有できるかなど、出口の相談等はしましたか…?

西小倉:社長室で働いて、「彼らは人を信じて、任せてくれる人たちだ」と理解していたので、そうした交渉は全くしていません。出口の話は、事業が軌道に乗ってから話せばいいことだと思っていました。

DMM.comの経営陣は、人を信じて任せてくれるんです。だからこそ、集中して事業に取り組むことができています。


 

事業責任者=経営者がDMMの常識

——西小倉さんのような起業家気質の人材にとって、DMM.comはどのような環境だと感じますか。

西小倉:挑戦する志に対して、機会を与えてくれる環境だと感じます。なんというか……ある意味、緩いんですよね。結果にはシビアですが、結果を出してさえいれば、事業の推進方法は事業部に任せてくれます。

「この人にいくらお金を預けるか」で事業を考えているので、チームのつくり方やプロダクトの育て方について、口を出された記憶がありません。私の印象ですが、DMM.comは「事業部長が社長」で、それ以上は投資家に似た存在なんです。


 

—— 決まったルールはなく、自由に挑戦できる環境だと。

西小倉:そうですね。DMM.comという会社は、事業を運営するための会社なんですよ。事業を大きく育てるためなら、「できることはなんでも、やってみてから考えよう」という雰囲気も感じます。

経営陣の意向で、事業の方向性が変わってしまうこともほとんどないと思います。非常に風通しがいい環境ですね。


 

—— 事業を育てるという観点で、他にもメリットがありますか?

西小倉:リソースを借りられる点は大きいと思います。自分で事業を立ち上げると、仲間集めが課題になりますよね。でもDMM.com内で事業を立ち上げれば、必要な人材をアサインしてくれます。「少しの間だけ、セールスを強化したい」なんてことがあったときは、即座にセールスマンがサポートしてくれるんです。

また、業務をアウトソースできるのもありがたいなと感じます。たとえば法務や財務など、立ち上げ初期に「正社員を雇うほどでもない」程度の業務量が発生したときも、全て巻き取ってもらえます。


 

—— 事業を立ち上げるには、よい環境ですね。逆に、DMM.comに合わないと感じる人材はどのようなタイプでしょうか。

西小倉:自分で数億円規模のお金を集められる起業家タイプは、もしかしたら合わないかもしれません。「自分でやった方がリターンが大きい」ケースも往往にしてあると思うので。

またこの会社は、自分から手を挙げられないタイプの人に道は拓きません。上に何を言われても、何度失敗しても、何度でも「やらせてほしい」と言えるタフさがないと苦しいと思います。逆にそのタフさがあれば、チャンスがひたすら降ってくる会社です。


 

DMMで、事業家として生きていく

—— 西小倉さんの今後のキャリアについてもお伺いさせてください。これからも、DMM AUTOの事業責任者として、これからもメンバーの一員で居続ける予定ですか。

西小倉:今はDMM AUTOを大きく育てることにフォーカスしているので、そのつもりです。可愛くない額のお金を預かっていますし、メンバーはDMM AUTOに携わりたくてDMM.comにジョインしてくれている。だから、チャンスがある限り挑戦をやめる予定はありません。


 

西小倉:一つ言えることは、兎にも角にも、事業家として生きていくことに変わりはなく、今の私にとってDMM.comが最適な環境だから、ここに籍を置いている。サービスはまだまだ成長の余地が残っていて、正直ベースで話せば、まだ最終ゴールの1%にも到達していないと思っています。

 

構成:檜山 加奈(ポジウィル) 編集:オバラ ミツフミ(モメンタム・ホース) 写真:清水 舞