アニメ制作は、紙に鉛筆で原画を描くところからスタートするのが一般的ですが、ダブトゥーンスタジオではすべての作業をデジタルで行っているのが特徴です。業界の常識にとらわれない制作体制によって、少人数・短納期でのアニメ制作を実現しているダブトゥーンスタジオの実態に迫ります。

“オールデジタル”で効率化。少数精鋭の制作チーム

ーーまずは、アニメスタジオ事業部の事業内容についてお伺いさせてください。

内海 洋(うつみ ひろし)亀チョク本部 アニメスタジオ事業部 事業部長/(株)DMM.futureworks 代表取締役兼プロデューサー
武蔵野美術大学中退。イベント制作やSE、コンシューマーゲーム開発等を経て、2005年にセガ(現セガゲームス)に入社。「マリオ&ソニック 北京オリンピック」「頭文字D」「ドラえもん」等のライセンス作品のマーケティングを担当し、2007年から「初音ミク」を題材としたゲームプロジェクト「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」の統括プロデューサーを務め、ロスアンゼルス等でのライブ興行もプロデュース。2016年にDMM.comに入社し、亀チョク本部アニメスタジオ事業部(株式会社DMM.futureworks)に所属。2017年にDMM.futureworks代表取締役に就任、デジタルエンタテインメント事業部「DMM VR THEATER」事業とアニメスタジオ事業部「W-Toon studio」の2事業を統括する。


内海:ショートアニメやオリジナルアニメの制作を手がけるダブトゥーンスタジオを運営する事業部です。一般的にアナログ制作のアニメでは大人数のスタッフが動員されますが、全ての作業をデジタルに統一することで少人数での制作を可能にしています。


 

ーーアナログ作画だと、少人数での制作は不可能なのですか。

内海:紙に絵を描き、絵をデジタル化し、着色していく一般的なアナログ制作では、それぞれの工程ごとに使用する機材が異なります。すると工程ごとに分業したほうが効率が良く、工程の数だけスタッフの人数も増えてしまいます。
一方、弊社のデジタル制作は、膨大な工程をほぼ一つのPCでまとめて作業できるため、「工程ごと」ではなく「カットごと」に分担したほうが効率が良いんです。一般的なアナログ制作よりも少人数で早く仕上がるため、低価格・短納期で納品できるのが、弊社のデジタル制作のメリットです。


 

ー一カットごとに分担した場合、どのような制作過程で作品がつくられていくのでしょうか。

内海:絵コンテが決まった後は「1:00~5:00まで」という風に時間で担当するパートを切り分け、原画や動画だけではなく、彩色までを一人のアニメーターが担当します。そして最後にそれぞれのパートをつなぎ合わせ撮影処理をすると、アニメが完成します。


 

ーー青木さんと石原さんは、他のアニメ制作会社でアナログ制作をされていた経験があるとお伺いしています。これまでと比較し、今の環境はいかがでしょうか。

青木 泰寛(あおき やすひろ)亀チョク本部 アニメスタジオ事業部 アシスタントプロデューサー
近畿大学経済学科卒業。2013年株式会社エイトビット入社。2015年株式会社PINE JAM入社。2018年にDMM.comに入社し、亀チョク本部 アニメスタジオ事業部へ所属。企画立案、スタジオ業務管理を担当。2019年より現職。


青木:まず、情報伝達のスムーズさに驚きました。前職は今の3倍以上の数のスタッフで制作していたこともあり、分業の過程で齟齬が起きることもよくありました。しかし今ではすべての制作プロセスを一人で行うため、情報伝達におけるトラブルはぐっと減りました。


 

石原 充菜 (いしはら みつな)亀チョク本部 アニメスタジオ事業部 アニメーター
豊橋創造大学短期大学部幼児教育・保育科卒業。同年大手製造メーカーに就職し秘書・庶務業務を7年担当。2017年に都内のアニメ会社に転職した後、2018年自動車保険のコールセンターに転職。2019年よりDMM.comへ入社し、亀チョク本部 アニメスタジオ事業部にてアニメーターとして勤務。


石原:アナログ制作だと作業の一部しか担えないため、自分の描いた絵がどのような形で世に出るのか、実際に作品が放映されるまで分からない不安がありました。一方、デジタル制作であれば完成イメージから逆算して取りかかれるので、効率よく作業できています。


 

ーーお二人とも、今の環境でアニメ制作を始めてから、効率が上がった実感をお持ちなのですね。

ーーアニメ制作だけに留まらず、幅広い仕事ができるのですね。

内海:付け加えると、僕たちは案件をショートアニメを中心にしているため、1タイトルあたりの制作サイクルがとても速い。一般的な30分アニメだと、企画から納品までにかかる時間は1年半ほど。しかし、3~15分程度で描かれるショートアニメは半年程度で完成します。
「全部自分で」を早いスパンで繰り返せるアニメスタジオ事業部は、アニメーターがスキルと経験を積むためにとても良いに環境だと自負しています。


 

アニメーター個人のキャリアプランを尊重する環境

ーー続いて、お三方がアニメスタジオ事業部にジョインされるまでの経緯を教えてください。

内海:ファーストキャリアは音楽業界で、その後はゲーム業界へ移り、開発プロデューサーの仕事をしていました。前職のセガでは開発から離れ、「頭文字D」「ドラえもん」といったライセンス作品のマーケティング業務や、「初音ミク」を題材としたゲームプロジェクト「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」の統括プロデューサーをしていました。
9年ほど初音ミク関連の仕事をし、ゲーム業界ではやり切った感覚が生まれ、そこからアニメ制作に興味を持ち始めたんです。


 

ーーそこから、どういった経緯でDMM.comに転職されたのでしょうか?

内海:初音ミクのプロジェクトの経験を買われてか、知人から「DMM VR THEATER」の仕事に誘われたんです。DMM.comに移った後は、DMM VR THEATERの仕事をしながら、アニメスタジオ事業部にも関わるようになり、現在に至ります。


 

ーー有名なライセンス作品をいくつも担当されていた内海さんは、他にも多くの引き合いがあったことと思います。数ある制作会社のなかから、DMM.comを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。

内海:意思決定のスピードが驚くほど速かったのが、一番の魅力でした。会社の規模が大きくなれば、上司のところで企画が止まったり、何ヶ月も会議が行われたりと、1つの企画を決めるのに半年くらいかかることも珍しくありません。
しかし、DMM.comは違います。亀山会長(亀山敬司)が「何かあったら俺のところに来ればいい」と明言するほどで、「この会社はきっと判断が早い」と感じたんです。入社後もイメージ通りで、まったくギャップはありませんでした。


 

ーー内海さんは、スピード感を持ち、どんどんプロジェクトを動かしていきたい気持ちが根底にあったんですね。続いて、青木さんはいかがでしょうか?

青木:僕は大学を出てからアニメ制作会社に入社し、制作進行としてアニメ制作のスケジュール管理などの業務を行っていました。その後、別の制作会社に移り、制作進行の一つ上の役職である制作デスクとして働いていたのですが、もともとプロデューサーとして働きたかったこともあり、転職先を探していたんです。
そこで話題性のある作品をいくつも担当していたダブトゥーンスタジオに目を付け、2018年にDMM.comに入社しました。実は、入社の決め手になったのはDMM.comのオフィスだったんですよね。


 

ーーオフィスが決め手になったんですか?意外ですね。

青木:今までは小さなスタジオでアニメ制作をしていたので、DMM.comのジャングルのようなオフィスに入った瞬間、「こんな環境で、一体どのようにアニメをつくっているんだろう」と、強い興味を抱いたんです。面談を通じて仕事内容や制作体制について知り、新しく得られるものがたくさんありそうだと感じ、入社を決めました。


 

ーーなるほど。石原さんはどういった理由から、入社を決められたのでしょうか?

石原:生活基盤を整えた上で、夢に向かってチャレンジできる環境があるDMMが魅力的でした。もともと大手メーカーで秘書として働いたのですが、幼いころ好きだったアニメへの思いを捨てきれず、アニメ業界の門を叩きました。しかし、当時勤めていた会社は暮らしていくにはぎりぎりのお給料だったため、アニメーターとして働き続けるのは難しく、一度はアニメ業界を退きました。
しかし経済的な理由で夢を諦めなければいけないのは悔しかった。「どこかにアニメを続けられる環境があるはずだ」と考えるようになり、デジタル制作を行っている会社を探していたんです。


 

ーーデジタル化を推進する制作会社は他にもあるなかで、DMM.comを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。

石原:面談の際、唯一「ここに入って何がしたいか」「アニメに関わるなかでどのように成長していきたいか」といった質問をしてくださった会社だったからです。
経済的に厳しい条件を提示する企業が多く、求職者のキャリアプランなどの話は差し置いて、会社は「貯金はあるの?」「一人前になるまで大変だけどやっていけそう?」といった質問ばかりを投げかけてくる場合が多いです。面接時の印象から、直感で入社を決めましたが、その選択は間違っていなかったと強く思います。


 

若手アニメーターでも、作画監督と同じ経験ができる

ーー個人のキャリアプランを尊重するカルチャーがあるのですね。一般的に、アニメ業界は下積み期間が長いイメージがありますが、若手でもやりたい気持ちが強ければ、難易度の高い仕事を任せてもらえたりするのでしょうか?

内海:おっしゃる通り、アニメーターは一般的に、動画、原画、作画監督とステップアップしていき、作画監督になるまで早くても5~6年、人によっては10年かかると聞きます。しかしアニメスタジオ事業部では、作画監督にならないと任せてもらえないような仕事を、若い人にもどんどんお願いしています。もちろん、アサインの際はしっかり実力を見て、判断を下しますが。

 

石原:手を挙げれば機会を与えてもらえる、とてもありがたい環境です。それに甘えず、 気を引き締めて日々の仕事に臨んでいます。


 

ーー実力次第で、やりたい仕事をどんどん任せてもらえる環境なんですね。内海さんは、事業部の今後について、どのような展望をお持ちでしょうか?

内海:お客様から求められる期待を超えるのは前提ですが、既存の案件にも僕たちならではのテイストを盛り込んでいきつつ、完全オリジナル作品をつくっていきたいです。目標は、『君の名は』クラスのヒット作品を生み出すこと(笑)。多くの人たちから評価される作品をつくることが、何より大切だと考えています。


 

ーーなるほど。青木さんと石原さんは、いかがでしょうか?

青木:ショートアニメに関しては、「ダブトゥーンスタジオだったら安心だね」といったコメントをよくいただけています。しかし今後、完全オリジナル作品をつくったとき、同じような反応をしていただけるとは限りません。「ダブトゥーンスタジオの作品だったら、オリジナル作品も見たい」と言ってもらえるよう、視聴者の期待値を超えていきたいです。

 

石原:私はダブトゥーンスタジオならではのテイストを、視聴者の方々に広く認知してもらいたいです。そのためには、クリエイター陣の個性を引き出し、上手く作品に落とし込むことが大切だと考えています。


 

ーー最後に、どのようなメンバーを求められているのかお聞きしたいです。

内海:何よりも作画スタッフを募集しています。しかし、作画以外の仕事もどんどんこなして活躍できる人を求めています。シナリオを書いてもらったり、演出をやってもらったりと、青木や石原のようなマルチプレイヤーに成長したいと思っている人に来てほしいです。
また、アニメーターは業務委託からスタートすることが多いですが、DMM.comでは基本的に最初から契約社員になってもらっています。まずは生活基盤を整えた上で、仕事に力を発揮してもらいたい。アニメーターとしてのキャリアアップを目指している人であれば、思う存分、活躍していただける環境なので、ご応募をお持ちしております。